「モハメド・アリ」

いつも、同時並行的に2、3冊の本を読んでいるのですが、今読んでいる本の一冊は、「モハメド・アリ その生と時代」の上巻です。(岩波現代文庫) ボクシングには少しだけ関心があって、3月8日付けの黒犬通信でも書いたとおり、30年以上も前にあった、アリとジョー・フレジャーの試合のポスターを、eBayのオークションで見つけてきたこともあります。

モハメド・アリのことをご存知の方は、40歳台以上の方が中心かもしれませんが、僕が好きなアメリカ人の一人です。彼のライバルの一人であった、ジョージ・フォアマンも大好きです。アリとフォーアマンの、ザイールでの試合は、歴史に残るもので、ドキュメンタリー映画もあります。

この「モハメド・アリ」の上巻は、アリの生まれから、ザイールでの、ジョージ・フォアマンとの試合までを取り上げています。

時代を知るためには、その時代を象徴する人間たち(決して一人ではありませんが)を知ることも、ひとつの方法だと思います。アリを知ることは、戦後のアメリカの一局面を知ることにつながるはずです。

この本の中に、次のような一節があります。(以下引用)

「クリーブランドその他で何度もアリと会って、特別の責任を引き受けている人間、出会った人々にいい経験を与えるように身を処している人間を見たんだ。哲学的に言って、アリは自由な人間だった。おそらく史上最高のボクサーであるうえ、彼は自由であった。どんな人間でも自由でいることが歴史的にむずかしかった時代に、彼は自由だったのだ。アリはアメリカ史上最初の真に自由な人間の一人だったよ」

アリのことを知らない人、アリのことを知っていると思っている人。良かったら読んでみてください。